この記事では「岩手切炭」についてわかりやすく解説します。
おそらく既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この岩手切炭はキャンプ愛好家の間で大注目の的です。
岩手切炭は岩手県内で豊富に生育するナラの木を使用して作られており、熟練の職人が手作業で丹念に仕上げています。手間暇を惜しまず、真心を込めて製造される炭です。
今回は「岩手切炭」の魅力をたっぷりとお伝えします。
高品質な炭をお探しの初心者の方や、BBQや炉を楽しむ際にこだわりの炭を求める方々にぜひお読みいただきたい内容です!
岩手切炭とは
岩手切炭は、岩手県で生産される黒炭の代表的な名前です。実は岩手県は、黒炭の主要な産地の一つとされています。この岩手切炭は、炭火職人たちの手作業によって、機械を使わずに丁寧に作られる、高品質な炭のブランドです。
原料は、日本産(岩手産)のナラの木で、高温でしっかりと炭化させて作られます。名前にもある「切炭」とは、規格に合わせて均一な長さと太さに切り揃えられていることを指します。この均一な形状も、岩手切炭の特長の一つとされています。
東日本ではよく使用される
岩手県は、炭の生産量とシェアで日本一の地位を誇っています。
全国の炭市場の3割が岩手県によって支えられているという驚異的なシェアです。
特に東日本にお住まいの皆さんには、BBQの際には岩手の炭、特に岩手切炭が愛用されているようです。
岩手切炭の生産方法
岩手県での炭づくりは、平安時代に始まったとされています。
平安時代というと、およそ千年前のこと。それからずっと受け継がれてきた歴史が、驚くべきことです。
昔は主に陶器を焼くために炭が作られていたとのこと。
現在では、BBQや囲炉裏など、さまざまな用途で岩手切炭が活躍しています。
岩手県独自の「岩手窯」による炭の丁寧な製造
さらに、岩手切炭の特徴的な点として、「岩手窯」という独自の製造方法が挙げられます。
岩手窯は、均一な温度を保つことができる特長を持ち、じっくりと時間をかけて丁寧に製炭されるのが岩手切炭の特別な製造プロセスです。
この方法により、木材にゆっくりと熱を加えることができるため、樹皮を剥がす必要がなく、優れた火付きと高品質な炭の完成が可能となります。
また、時間をかけることで炭の純度も高まり、最終的には高品質な炭が生み出されます。
岩手切炭のメリット
今回は、よく見かける海外産のマングローブ炭との違いに焦点を当て、実際に使ってみて岩手切炭の優れたポイントをご紹介します。
燃焼時間の長さ
最初に感じた大きな利点は、長時間にわたる燃焼です。
バーベキューを楽しむために、大人5人で2時間ほど料理をしてみましたが、驚くほど炭を足す必要がありませんでした。
持参した6kgの岩手切炭のうち、2kgしか使用せず、余った炭は持ち帰ることができました。
これに対して、マングローブ炭では15分に1回のペースで炭を足す必要があったため、岩手切炭は手間が少ないという魅力があります。
少ない灰
炭が燃え尽きると、どの炭でも灰に変わります。
岩手切炭ももちろん例外ではありませんが、その量がマングローブ炭に比べて少ないのが特徴です。
強風の日でも、灰が舞い上がることなく、バーベキューを静かに楽しむことができました。
風の影響を受けづらいので、風が強い日でも食材を美しく焼き上げることができました。
炎が制御しやすい
マングローブ炭は着火時や風が吹いたときにすぐに炎が上がることがありますが、岩手切炭は炎が制御しやすい特性があります。
炭火焼は、じっくりと遠赤外線で食材を調理することが大切です。赤い状態の炭が長時間持続することは、炭火焼の利点であり、岩手切炭はこの点で非常に効果的です。
鶏肉などの食材も、炎を気にせずに焼くことができ、美味しく仕上がります。
臭いが気にならない
安価な炭を使うと、燃やす際に嫌な臭いが発生し、食材にもその臭いが移ることがあります。
炭自体は脱臭効果があるものの、臭いは炭内部に蓄積されるため、焼くときに臭いが出ることがあります。
一方で、岩手切炭はその臭いがほとんどなく、香ばしい香りが食材に移るイメージです。
肉などの風味は炭の影響を受けますが、岩手切炭を使うことで、バーベキューがより一層楽しいものになるでしょう。
均一な大きさ
岩手炭の袋を開けると、高さが揃った炭が並んでいます。
一般的な安価な炭では、細かな炭が多かったり、砂利のような小片が多く含まれていることがあります。しかし、岩手切炭は無駄が少なく、効率よく炭を使用できる設計です。
もちろん、大きさはさまざまですが、細かい破片が少ないため、使い勝手が非常に良いです。
必要に応じて火ばさみで調整することも可能で、どんな料理にも適した炭です。
炭の高さが整っているので、収納する際にも便利です。
岩手切炭のデメリット
これまで利点を中心にご紹介してきましたが、ここからは岩手切炭の一面に光を当て、そのデメリットについても掘り下げてみましょう。
着火にやや時間がかかる
岩手切炭は、着火まで少し時間がかかるかもしれません。
ただし、備長炭のように長時間着火に時間を要するわけではありません。炭がしっかりと炙られることで、約10分程度で普通に着火します。
また、炎が上がりにくいため、着火剤やバーナーを使用して広範囲に火を広げる工夫が求められます。例えば、チャコールスターターに着火剤を置いて炭を囲み、楽に着火する方法がおすすめです。
コストはやや高め
一般的な安価な炭は、3kgで500円程度で手に入ることができるかと思います。
対照的に、岩手切炭は3kgで約1,800円、ユニフレームブランドのものでは約2,200円ほどと、その価格は3~4倍となっています。
しかし、長時間燃える特性を考えれば、必要な炭の量が少なく、コスト効率は高いと言えるでしょう。特に6kg入りの袋が約2,500円というお得な選択肢もあります。初めての購入時には、6kgの袋を検討してみることをおすすめします。
携帯が不便
ユニフレームの岩手切炭はダンボール入りで販売されていますが、純正のものは紙袋に入っています。
この紙袋のままでは、キャンプ場への持参や家での保管が少々不便です。ダンボール入りで送られることもあるものの、スペース効率の観点からも、炭用のケースを用意して管理することがおすすめです。
備長炭と比較して短い燃焼時間
安価な海外産のマングローブ炭と比べると、岩手切炭は確かに長持ちするものの、高品質な国産備長炭に比べると燃焼時間は短いです。
ただ、これは炭の種類の違いによるもので、備長炭は長時間火を保つ能力がある一方、着火に時間がかかるというデメリットも存在します。
総じて、楽しく野外でバーベキューをする際には、燃焼時間が長く火付きも良い岩手切炭がおすすめです。
岩手切炭の使い方
岩手切炭の魅力を理解したところで、具体的な使い方についても見てみましょう。コスパや価格にも興味があることでしょう。
岩手切炭を効率的に使用する方法
最初は「高品質だからたくさん使う必要があるのでは?」と考えるかもしれませんが、実はそうでもありません。火持ちの良さが特徴の岩手切炭は、少量で効果的に利用できるのです。
通常、燃焼時間が短い炭は多く必要になることがありますが、岩手切炭はその点を気にせずに済みます。
5人分ほどのバーベキューであれば、おおよそ1.5㎏~2㎏程度の岩手切炭を使用して、2時間以上の楽しい時間を過ごすことができます。
火力も強力なため、たくさんの炭を使う必要はありません。
岩手切炭の着火方法
岩手切炭を使う際の着火方法を簡単にご紹介します。
- 木炭を煙突のように中心部を空けるように積み上げます。
- 真ん中に新聞紙や着火剤を置き、火をつけます。
- 煙突効果により、中心部から炎が上がります。
- 約10分ほどで炭の中心部に火がつきます。
- 炭が赤く燃えるようになったら、位置を調整して料理ができる状態にしましょう。
この簡単な手順に従えば、岩手切炭を効率的に着火させることができます。
岩手切炭の保管方法
岩手切炭は通常、紙袋やダンボールのパッケージで販売されています。1回のキャンプやBBQで全て使い切ることは難しいですよね。ですから、残った炭を次回に向けて保管する必要があるでしょう。
もちろん、そのまま保管しても問題はありませんが、湿気を含んでしまうと火付きが悪くなる可能性もあります。次回も快適に使用するために、ちょっとした工夫で保管を行うことをおすすめします。
保管方法①:ダンボールとゴミ袋を利用
まず、ダンボールとゴミ袋、そして乾燥剤を用意します。ゴミ袋をダンボールに入れ、その中に岩手切炭をきれいに並べて配置します。岩手切炭は均一な形状なので、整然と配置できるでしょう。その後、乾燥剤をゴミ袋内に置き、ゴミ袋をしっかりと閉じてからダンボールで保管します。
これによって余分な空気を遮断し、湿気や匂いの影響を受けにくくなります。ただし、保管した岩手切炭はできるだけ早く使用することをおすすめします。
保管方法②:衣装ケースの活用
もし少しの費用をかけてでも確実な保管をしたい場合は、ダンボール箱の代わりに衣装ケースを検討しましょう。ダンボールは隙間から空気が入り込むことがありますが、衣装ケースはプラスチック製で密閉状態を保ちやすい特長があります。防湿庫のような効果も期待できるでしょう。衣装ケース内に岩手切炭を並べ、新聞紙でくるむとともに、乾燥剤を置く方法も有効です。
衣装ケースは、一眼レフカメラのレンズなど、湿度管理が必要な機器の保管にも利用されるほど、空気遮断の効果が高いです。電子機器なども安心して保管できます。岩手切炭を長期保存する際にも、衣装ケースを活用することで、品質を維持したまま次回の利用に備えることができます。
岩手切炭はどこで購入できる?
岩手切炭は、全国の燃料店、ホームセンター、アウトドアショップ、炭問屋、さらにはAmazonや楽天などでも入手可能です。
価格はマングローブ炭に比べて少々高く感じるかもしれませんが、その品質や持ちの良さを考えると、使い心地を実感した方々からは「コストパフォーマンスが高い!」という声が聞かれます。
岩手切炭購入時の注意点
岩手切炭は堅固な炭ではありますが、割れたり湿気を吸収したりする可能性がある製品です。そのため、木炭の取り扱いに慣れた店舗や、専門知識を持つ店員がいる場所での購入をおすすめします。また、特に注意が必要なのは湿気対策です。
公式オンラインストアなど、直販サイトを利用する場合、新しく生産された木炭を手に入れることができる利点があります。これにより、最高の品質で岩手切炭を使用できることが期待できます。
購入の際には、品質を保つための取り扱いに気を付け、信頼性のある販売先を選ぶことが重要です。
岩手切炭は環境保護に貢献する
炭といえば木を伐採するため、環境保護とは反対のような印象を抱くかもしれませんが、実はそれは真実ではありません。
岩手切炭は、主にナラの若木を使用して製造されることが多いのですが、この点が環境保護に貢献している要因なのです。
この炭づくりにおいては、成長途中の若い木が選ばれます。若い木を伐採することで、切り株から新しい芽が芽吹き、再び新たな木へと成長していくのです。
逆に、成熟した木を伐採してしまうと、新たな芽は出ずに木は枯れてしまいます。
このことからも分かるように、森林を保護し育てるためには、定期的な木の選別と伐採が必要不可欠です。
したがって、岩手切炭の製造において、若木を活用することは森林の健全な管理に貢献し、環境保護につながっているのです。
まとめ
今回は、岩手切炭について詳しく解説しました。岩手切炭は、火付けがしやすく、初心者でも簡単に使用できるので、バーベキューや焚き火などのアウトドア活動にぴったりです。
岩手切炭を使用して、思い出に残るアウトドア体験をしてみませんか?初めての方にも最適な選択肢として、ぜひお考えいただければ幸いです。
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